Hype.ハイペリカム(セイヨウオトギリソウ)
Hype.
日本名はセイヨウオトギリソウ。セント・ジョーンズ・ワート。ハーブではうつ病の治療に使われます。昔から西洋では魔女よけにつかわれました。気分の落ち込みは魔女の仕業だったということでしょうか。また十字軍遠征の傷の治療にもつかわれました。

でもレメディになると抗欝のような働きはなくて、神経の集まったところに受けた傷の手当に使われます。尾てい骨を打ったとか、唇の傷や指先の傷とか。手術で失ったもうないはずの足の幻肢痛とか。このあたりはハーブの使い方とよく似ていますね。

まあ、そのような一般的な使い方はさておいて、ここではもっと楽しくレメディの勉強をしましょう。

まず筆記しなければならないのが、ホメオパシー治療の大切な概念Delusionについて。
一般的に妄想と訳されているこのデルージョンという概念ですが、ホメオパシーでは病気はその人の存在のあり方に由来してくると考えます。人それぞれが世の中の見方は違うのですが、いったん病気になるとその見方が多いに問題になってきます。健康な時にはなんということがなかったものの見方が生命力が妨害された結果の表現としてあらわれてくるとホメオパシーは病気をとらえるのですが、その病気を症状として表現させるのは、その人の世の中の見方の偏りがある特定の症状を呈するのに一役買っているととらえるのです。頑固な人ががんになりやすかったり、嘘をつく人がイボを作りやすいとか、あけっぴろげの人が虚脱しやすいとか、まあ、いい時はとてもいいのですが、いったん病気になるとそれが裏目に出てきやすくなるという見方でしょうか。

で、このHype.ですが、頭が上にぐっーと引っ張られる感じとか、空中に高く持ち上げられる感じとか、がけがをした時に表現されるデルージョンです。まあ、怪我に使われるレメディですから、もともとの人生観がさほど問題にならないということもあってあまり緊急に使われるレメディのデルージョンは問題にならないのですが、3000種もあるレメディの何を使ったらいいのか困ったときに、このデルージョンの概念は大いに力になってくれます。

レメディの決定には、症状など問題にしないで、このデルージョンだけで決定することもありますから、緊急とはいえ、この概念をつかみさえすれば大いにレメディのヒットに結び付けられることになります。

とはいってもこのような症状のとらえかたが現代一般医学に使われることなどまずありません。現代医学を履修したものがホメオパシーを使いこなせない理由もここにあります。インドではホメオパスになるには専門の大学をでるか、医学部を終えた後で改めて6年生のホメオパシー大学に入りなおさなければなりません。それだけ一般医学とホメオパシーは真反対ということなのです。

とりあえず、レメディHype.とオトギリソウには共通点があるのがとてもわかりやすいのはたすかります。どちらもけがに使えるからです。一般的にはレメディは全くハーブとは違う使い方をするものがほとんどなのです。だからレメディを学ぶときにはいったんハーブ医学をシャットダウンしなければなりません。レメディは物質のエネルギー化で得られたものですから、ハーブを見てその独自のエネルギーを天才的に感じられる人だけがハーブとレメディを行き来できるのかもしれません。

でも、考えてみてください。誰がサーモンのレメディが失恋に効くなどと想像できるでしょうか。そしてチョコレートのレメディが引きこもりに効くなどと!

私たちをとりまくありととあらゆるものからプルービングという膨大な人体実験をしてレメディがつくられます。月の光のレメディもあるし、ベルリンの壁のレメディもあります。研究開発して化学薬品を作る薬屋さんは研究費用として薬の代金に上乗せできないので全く儲かりません。

でも、森羅万象を乗物にするホメオパシーってわくわくしませんか。あなたを取り巻くすべてのものが、あなたを癒してくれるエネルギーを秘めているのですから。</font>

オトギリソウ

分類
界: 植物界 Plantae
門: 被子植物門 Magnoliophyta
綱: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
目: オトギリソウ目 Guttiferales
科: オトギリソウ科 Guttiferae
属: オトギリソウ属 Hypericum
種: オトギリソウ H. erectum

学名
Hypericum erectum
和名
オトギリソウ(弟切草)

オトギリソウ(弟切草)は、オトギリソウ科オトギリソウ属 の多年生植物。日本全土から朝鮮半島、中国大陸の草地や山野に自生する。高さ20cm~60cmにまで生育し、夏に2cm程の黄色い花を咲かせる。

葉の表面に褐色の油点が見られるが、これはヒペリシンという光作用性物質で、これを摂取した後に日光に当たると皮膚炎や浮腫を生じる。

またオトギリソウにはタンニンが多く含まれており、全草を乾燥させたものを小連翹(しょうれんぎょう)と称して生薬として用いる。


和名のゆかり
この草を原料にした秘薬の秘密を漏らした弟を兄が切り殺したという平安時代の伝説によるものである。この不吉な伝説のため、付けられた花言葉も「恨み」「秘密」と縁起が悪い。

一方、基本的には薬草であり、タカノキズグスリ(鷹の傷薬)、チドメグサ(血止め草)などの悪いイメージのない異名も持つ。

そのくらい効き目があるので、兄も他人に教えたくなかったのだろう。


★オトギリソウ秘話★

オトギリソウは高山の日当りのいい斜面に生えます。

私の友人で山登りの単独行を趣味にする男性がいました。

ある夏の昼下がり、彼は信州の斑尾高原を一人で歩き、野尻湖方面に向っていました。夏の山道を楽しみながら尾根沿いに歩いていたのですが、運悪く浮き石を踏んでしまい谷底にまっさかさまに落ちてしまったのです。
そのまま彼は気を失ったのですが、目覚めたときにあたりには花びらが黄色い巴の形をした草花が一面に咲いていました。彼は谷に落ちたたところまでは知っていましたが、何時間たったのかは記憶が定かではありませんでした。

頭が痛かったのでどこか頭を打ったのかも知れません。頭に手をやると、血のりがべったりつきました。かなり出血したのでしょうが、出血はもう止まっていました。周りに咲いていた黄色い花にも彼の血しぶきがついているようで手で触れたのですが、血のように見えたのは彼が草花の上に落ちて草花から出た赤い汁だったのです。この花は赤い汁を出すようだ、と自分の血しぶきではないのを確かめて一路野尻湖方面へ降りて行きました。
あちこち打撲で痛かったけれども、若い体は何ともなく、予約していた山荘にたどりつき、彼はそこで自分が3日間も山の中で気を失っていたことを知らされました。それは予約していた山小屋の主人が捜索願を出していたことからわかったことでした。

彼が倒れた谷底の急斜面にはびっしりとオトギリソウが咲いていたのですが、彼がその花に傷をいやす力があると知ったのはずっと後になってからだそうです。普通ならばいく針も縫うような頭の傷を抱えたまま気を失っていた間に、オトギリソウのエネルギーが彼を癒してくれたのは言うまでもありません。

彼はそれ以来、自分の守り神のようなオトギリソウのことを忘れることはなかったそうです。

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