Phos.りん

誰でも自分の娘は気立てがよくてぴかぴかに輝き、明るくてだれにでも愛想がよい、そんな性格であって欲しいと思いませんか。
でもそういう子供に限って、ひとりでいるときには不必要に自分の殻に閉じこもり、見えないものに怯えたり、何が哀しいのか分からないままに一人で泣いたりします。
雷でも鳴ろうものなら、さあ大変、がたがた震えてテーブルの下に隠れたりして、まるでこの世の終わりが来たかのように恐怖で引きつってしまいます。

マッチをイメージしてみてください。あるいはマッチ売りの少女がつかの間の暖を得るために凍えた手で売り物のマッチをする場面を。そう、一瞬の明るさの後に来る哀しみ、のようなものをイメージさせてくれる何かしらはかなくても華やかのものを。

レメディのフォスフォラスもそういう全体像を持っています。フォスの人は開放的で簡単に外部から影響を受けやすい傾向があるので、自分のもっているものをすっからかんに使い果たしてしまうのです。
回復にはなんせパクパク食べる、つかの間でもいいから眠る、それに尽きます。それとこってりしたアイスクリームが大好き。なのに寒がりで暖かい食べ物を好みます。

それから磁石が何かに引き寄せられてしまうのと同じように、マッチを擦るのに何かにこすり付けるのがたいせつなように、フォスの人は自分の手をいつも何かにまきつけたがります。ぺたぺた触ってきます。ハグが大好きです。

とにかく、フォスの人はマッチが一瞬あたりをぱっと照らすように皆に明るさを手渡します。その後に消耗して立ち上がれなくなろうとも、ただただ皆を明るくさせて、今から自分が消滅していくのを知っているかのように回りの人から明るさを反射してもらうかのようです。

元はといえば自分の光を反射させてくれているだけの明るさだということを知ってか知らずか、ただただ廻りを照らし続けなくてはいけない、と思い込んでいるかのようにけなげなたった一本のマッチの命。
とてもオープンで感受性が強く、同情的で優しい人、すっからかんになるまで廻りを照らさないと気がすまないかのように。それがフォスの宿命なのでしょうか。
そんな人って結構まわりにいませんか。面倒見が良くて優しくて思いやりがあって、その人がいるだけでぱっと明るくなるような人です。

フォスの人がかかりやすい病気は気管支炎や肺の病気、胃腸系や神経系、骨。フォスの人の骨はとっても
脆いようです。マッチが燃えついてすかすかの燃えかすになってしまったかのように。骨粗しょう症や毎度の骨折などにご用心。


写真は冬の凍える街角で道行く人にマッチを売る、あのアンデルセンの童話「マッチ売りの少女」です。売れ残りのマッチでつかの間の暖をとる凍えた少女が見たものは、つかの間の幸せな家庭の灯でした。
そして、マッチの火が一瞬だけ燃え上がりすぐに燃え尽きるように少女は微笑みながら永遠の眠りにつきました・・・

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