11.アルニカ ARNICA (ウサギ菊)
 
 
 
 
ARNIKA    <大野悦子 訳>

また どうして そんな ケガについてまわるような行動を!?

ひどく頭を打ったのね。 脳天に数字の0(ゼロ)が浮かんでいる

青あざ 黒あざ あいたたたた ひどい状態

ああ、これは捻挫しているのかも

そうよ くじいて当然

決してふれられたくはないアクシデントから

心の痛み 悲しい思い出がよみがえるのだとしたら

あなたはそれを避けるかのように 長距離マラソンを走り続けて逃げるか

青と黒の水の中を 一人ぼっちで泳ぎ続けていくか

それは ひょっとしたら トラウマというのかもしれないね

ケガをした時のお決まり文句はこんな風

私は大丈夫、独りにしておいて、心配はいらないわ

お医者様に見せなさいですって!?とんでもない

そう、ひっそりとこもっていることこそ 薬になるのね

あなたは過去を克服できずにずっときている

それが決して変わることのできない悪の種

ベッドがかたすぎで 体がズキズキと痛むわ・・・

なあにそれ?こんなにやわらかな布団なのに!?

誰に訴えてもわかってもらえない

傷をうけて痛んでいるあなた

気難しくて、こうと決めたらキッチリやるガンコもの

打ちのめされたという気分なのでしょう

アルニカがほら、もうすぐにでも思い浮かんでくるじゃない

そう、それをすぐに飲んでちょうだい。




ARNIKA    <本多桃子 訳>


階段からゴロンと落っこちて頭をがつんと強く打ちつけた
 
真っ白の 卵が叩き割られたみたいに 心も打ち砕かれて

青いあざ 黒いあざ 身につけて

捻挫して腕も足も ふらふら 頭も ぐるぐる回ってる

限界を超えるまで なんでもかんでも やり過ぎたら

この痛み この辛さ 忘れられるかもしれない

マラソンし続けるのも 泳ぎに没頭するのも 独りになりたいから
 
「大丈夫」「元気よ」
医者になんて診てもらわなくて平気

引きこもって静かに休みたいんだから 誰も私に近寄らないで 触れないで

ああ、もう治らないのかしら もう元には戻れない 死ぬのかしら・・・

まったく、ベッドがかたすぎて 寝られやしない
  
癒されるなんて わたしの趣味じゃないから

傷ついて ボロボロの こころとからだ
 
頑固なプライドで支えてみせるわ

・・・そんなあなたには、アルニカはぴったりくるでしょうね 


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アルニカ
ちょっと触れ手も痛くて、打撲した感じ、けが
不快で悪臭を放つ分泌物
頭は熱く、体は冷たい、
事故にあったり、突然驚き恐怖が湧いた、その夜から悪化する


歴史的背景
アルニカは高山地方に生える。昔から傷薬として用いられた。登山中に事故やけがにあうと、この植物の葉っぱをもんで傷に用いた。

レメディになると、トラウマや筋肉の過緊張、肉体的ショックに使われる。手術前後に飲んで、出血予防に効果がある。

使い方はさまざまで、すべてのトラウマにアルニカ!というあいことばで、ホメオパシーを学び始めた方たちの大きな第一歩を飾ってくれる頼もしくて心強いレメディである。

ウサギ菊は葉がしおたれていて、まるでウサギが耳を垂れている感じに見える。あたかじめ負っている傷。トラウマという概念はここからも生じている。



ウサギギク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

分類
界 : 植物界 Plantae
門 : 被子植物門 Magnoliophyta
綱 : 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
目 : キク目 Asterales
科 : キク科 Asteraceae (Compositae)
属 : ウサギギク属 Arnica
種 : エゾウサギギク
A. unalascensis
変種 : ウサギギク
A. u. var. tschonoskyi

学名
Arnica unalascensis Less.
var. tschonoskyi Kitam. et Hara (1933)
ウサギギク(兎菊、学名:Arnica unalascensis var. tschonoskyi)は、キク科ウサギギク属の多年草。高山植物。

本州中部以北・北海道・千島列島・アリューシャン列島の亜高山帯から高山帯に分布、草原地帯に生育する。茎は単一で直立しており、高さは20-30cm。葉は対生でへら形。花期は7-8月で、黄色い花を一輪つける。別名キングルマ(金車)。

ウサギギクの和名は、葉の形がウサギの耳を思わせることに由来する。基本変種はエゾウサギギク (A. unalascensis var. unarascensis) である。